※このコンテンツは2007年のアーカイブです。
2007年6月1日から9月30日の期間開催いたしました「百名山フォトコンテスト」ですが、おかげさまで応募総計点数は4954点と、たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。
受賞選考が2007年10月12日行われ、各賞が決定しました。選考の様子は
こちら
でご覧いただけます。
(各賞の作品をクリックすると、撮影データが表示されます)
☆受賞者の皆様へ☆
受賞されました皆様には、送付先確認などのご連絡をメールにてお送りしております。
受賞賞品の発送は、送付先をご連絡いただきました後の発送となります。
(山と高原地図事務局)
総評
- 磯貝 猛
- 山で写真を撮る位置、場所というのは、だいたい決まっているものです。 撮影名所というか、あの場所からはこういう風景が撮れるはずだとか、おおよその見当はつくものです。 ところが今回のフォトコンテストでは、そういう決まった場所から撮ったのではない作品が多数寄せられていました。 さらにデジタルカメラの普及によって、いろいろな場所で気軽にシャッターを押す機会も増えているようですね。 その影響で、新しい山の見方をしている作品に出会うことができて、私自身もいい勉強になりました。 じつに「発見」の多いフォトコンテストでした。
- 高橋 修
- 山の思い出が込められたものから山岳写真への強い思いのあるものまで幅広い作品が集まり、 私も真剣にかつ楽しみながら見させてもらいました。 気軽に撮ったと思われる写真にもよいものがありましたが、本格的山岳写真は技術レベルが高くても、 どこかで見たことのあるかのような写真が多くありました。それでも力のある写真が入選しています。 今回はフォトコンテストとしていろいろな課題等あったかもしれませんが、 これからもより完成度の高い作品や、楽しく個性的な作品が集まる、よいコンテストになることを願っています。
- 古瀬 惠一
- 最初に見たときから、レベルが高いと思いました。 じつにオーソドックスな作風の、山岳雑誌の表紙を飾れるような作品が多く寄せられたことに驚きました。 作品のレベルが高いだけでなく、それぞれの作者の思い入れを感じさせる、被写体へのさまざまなアプローチも感じられました。
- 小林 義明
- 今回が第1回目の「百名山フォトコンテスト」でしたが、全体的に色鮮やかで、素晴らしい作品が集まりました。 さまざまな視点、構図で切りとられた作品が多く寄せられましたね。 百名山それぞれに山の表情があるものだと思いました。 撮る場所が限られていたり、天候に左右されることも多いわけですが、そんな制限のなかで、皆さんいい条件で撮ろうと努力されていると感じました。 山の表情というのは、登っている人の気持ちによって変わってくるものです。 自分の気持ちを写真の中で表現できるようになっていくと、もっと多様な山の風景の表現ができるようになるでしょう。
- 秦 達夫
- 日本の山は美しい、ということをあらためて感じさせてくれるフォトコンテストでした。 こうしたコンテストを続けていくことは、日本人が日本の山を「心の拠りどころ」としていけるきっかけになると思います。 女性からの応募はまだ多くはないようですが、今後女性の視点で撮られた百名山の作品が多く寄せられるようになれば、もっと楽しみなフォトコンテストになると思います。
講評
- 磯貝
- しっかりした構図、しかも縦位置で撮られていて、最初に見たときからインパクトを感じていた作品でした。主役と脇役があって、しっかりといいバランスで収めています。 コンパクトデジタルカメラで撮った作品なのですね。ポケットにカメラを入れておいて、歩きながら「あっ、いいな」と思ったらすぐに撮れる。そんなメリットが生かされています。コンパクト機種でも、これだけ写る時代なんですね。
- 古瀬
- この作品は目の前でこの風景を見ているような錯覚を起こさせてくれる、その楽しさ、喜びがあります。それが素直に伝わってくるところがよかったと思います。
- 小林
- 2007年1月4日に撮影されたそうですが、正月前後から山に入っていたのでしょう。きっと何回もこの場所に通って、撮影にトライされていたことをうかがわせます。きちんとしたムダのない構図で撮れています。 さらにこの作品の魅力は、見ていると「この場にいるような気持ち」にさせてくれることです。うまく撮れただけではなく、臨場感だとか、山にいるような気持ちにさせてくれることも含めて、評価したいですね。
- 秦
- 写真というのは平面の表現です。そのなかでも「立体感」を感じさせる構図を作り上げている作品です。山の写真というと横位置でワイドに撮る人が多いのですが、縦位置で切りとったセンスが素晴らしいと思います。
講評
- 磯貝
- つくづくきれいだと思います。ただ、海のほうが主役になっている点だけが、グランプリ受賞作品との違いでした。本当に僅差でグランプリを逃した、それでもじつに素晴らしい作品です。
- 古瀬
- 光と影、トーンだけで作品を作り上げるこの作風は、私個人の好みでもあります。すごくいい写真ですね。
- 小林
- 作者の地元に近い山で、ふだんからよく見ているのでしょうね。この濃い霧は「けあらし」という自然現象だと思いますが、これと大山をうまく組み合わせています。タイトルにも少し反映させればよかったと思います。
- 秦
- 最後までグランプリを争った作品でした。前景に黄金色に輝く海の風景を配して、奥には大山の山影が見えるという構図です。山そのものを撮ることだけが、山岳の写真ではありません。逆光線の難しい条件のなかで、濃霧に浮かぶ大山の姿を浮かび上がらせた作者のねらいと、撮影技術が素晴らしい作品でした。
朝日さす笠
笠ヶ岳 : MT-turikiti さん
講評
- 磯貝
- 笠ヶ岳という北アルプスのもっとも岐阜県側に位置する山です。人気がある山ですが、行くには厳しいところです。この作品では稜線のつながりや、稜線に朝日が当たる夏山の雰囲気が、よく表現できています。これこそ王道を行く山岳写真ではないでしょうか。このグリーンの雰囲気は、日本の山独特ですね。ヨーロッパやネパールでは撮れない山の写真です。
- 古瀬
- とても臨場感あふれる作品ですね。尾根、稜線がうまく組み合わさっています。山の写真というのは、画面奥に向かってはるか遠くまで視線が抜けていると「気持ちいい!」と感じるのでしょう。
- 小林
- 何度もこの場所に通い、山のことをよくご存じなのでしょう。いちばん魅力的な角度からねらっているような気がします。 朝日が昇るとき、影がどんどん動いて、ほんの何秒か経つうちに、風景の雰囲気が変わってきます。おそらくベストのタイミングで撮られているのでしょう。作者のどきどきした思いまで伝わってくるような気がしました。
- 秦
- あまりにストレートに山を捉えた作品で、じつをいうと最初はピンときませんでした。何度か見ているうちに、作者はきっと素直に「山が好き」という気持ちを持っている方なんだろうなと思うようになりました。
講評
- 古瀬
- 朝、富士山の山頂付近から太陽を背にして撮られた作品です。色とトーンだけで見せているユニークな作品ですね。富士山そのものを撮っているわけではないのに、富士山の写真として成立しています。 こういう世界が見える人と、見えない人がいると思うのです。ただの三角の影としか見えない人もいれば、この影の中に微妙なトーンの変化や、影の外の風景まで見える人がいるのでしょう。単純に写真として、私は好きな作品ですね。
講評
- 小林
- 紅葉が見事な作品です。構図がまとまっていて、雲の入れ方もバランスが良く、紅葉の時期のこの風景の素晴らしさが表現されていると思います。 紅葉のタイミングは1日、2日ずれるだけで大きく違います。そのタイミングを合わせるだけでも難しいものです。作者の理想のイメージどおりに撮れた作品ではないでしょうか。
講評
- 秦
- 山に入ったら夜間に行動して写真を撮ることは、まずありません。でもこの作品は、それを実践しています。星の光跡をからめて山容を写し込もうという作者のチャレンジ精神が感じられます。九州の山なのに雪が降るという、その姿を写していることもよかったと思います。もうちょっと露光時間を長くして、星を流して撮れれば、さらに良かったと思います。これをきっかけにどんどん山の写真を撮っていってください。
講評
- 磯貝
- 花と山を撮るというのは夏の山を表現するひとつの方法です。ハクサンイチゲという山の代表的な花をコンパクトデジタルカメラで撮られた作品なのですが、パンフォーカス気味に写るというコンパクトデジタルカメラの特性が、見事に生かされています。手前の花にきっちりとピントが合っているだけでなく、奥の槍ヶ岳の姿までバランス良くしっかり見せてくれています。白い花なのでもう少し光の弱いときに撮れれば、花の優しさまで表現できたでしょう。













